37歳で医者になった僕

見ていて不快になるとかそういう風に嫌うようなドラマではなかったのだけれど、見終わったあとに高揚感があるかといったらなく、何かを考えたくなるかと言ったらそれもなく、どこかの感情を刺激されたかといったらやっぱりそれもない。うん、つまりものすごく普通のドラマだったんだろうな。
みたことのあるもの、なにかに似ているもの、このドラマを通じて思い出すものはこのドラマのなかのナニカではなく過去にあったツヨシのドラマのなかのナニカだったりする。そういうドラマ。
もう少し軸をしぼって、どこかひとつでも深く掘り下げたらよかったのにな、という印象もあります。どれもこれもやりたくて手を広げてみたはいいけれど結局どれもこれも表面しかすくえなかった、というような。

もしも剛を主役においたドラマが今後もこういう既視感を感じたものしか出てこないんだとしたら、剛がまんなかでドラマをやるときが終わったことを意味するのかもしれませんね。それは悪いことではなくて、次の段階に進んでいると言うことじゃないかしら。たとえば新見先生を剛がやっていたら?森下先生だったら?私はそういうことを考えるほうがわくわくします。
いま、まんなかにいることで冒険も無茶もできない、安定した演技しか求められないのだとしたら、そろそろ脇で自由に演じるほうにまわってほしいと心から思います。今回のドラマをみて、改めてそう思いました。